星影にひそむ星々の会話~星座の文法~

精神障害者ピアサポーターをしている僕の徒然

血の涙、不思議な危うさ

夜空の帳をあけて満月がぼんやり浮かび上がるとき、ウサギは何を想うだろう。

ウサギは、ジョン・アップダイクの『走れウサギ』のこともあれば、アマミノクロウサギのこともある。

双方、あまり仲が良いとは必ずしも言えず、その間をハブが苦しそうにのたうち歩いている。

慧眼な人ならもうわかるのかもしれない。

アメリカナイズされた暮らしの中で、僕たちの選択肢は狭くなっている。

TOKYOにはなにもない。

世界最大と称される本屋街、神保町、ここはTOKYOの不在の中心となる。

神保町を、モンマルトルの丘が追い越すだろう。

 

冴えないゴシップが隅田川を流れる

うたかたの夢が風に乗りはするものの、遂に片づけられる。

小室哲哉の音楽が舞踏芸術から遠去かり、

裁判官が小首を傾げながら音符を細い指でなぞるのは、

モーツァルトの無邪気さのおかげだった。

 

真夏の夜の夢が雷雨に閉ざされ、

僕たちはもう黒い額縁に顔写真を収めた。

 

写真家ナダールの撮ったパリの肖像が、時代の違いを蹴散らす。

粉々になった「瞬間」を器用にボンドで繋ぎ合わせる職人の、

名声はない。

 

絶滅危惧種のウサギは、

パンで満タンになった僕たちの口に、

口づけることもない。

f:id:atorie-hama3o2o3s1965447:20170812043609j:image