星影にひそむ星々の会話~星座の文法~

精神障害者ピアサポーターをしている僕の徒然

安逸を安逸として嫌う勿れ

続く仕事の狭間で、僕は書く。

気怠い、尾崎豊の『I LOVE YOU』が流れているのを、どこかしら怪訝に感じ、秘かに僕は疎んじている。或る種の怠惰、勤勉への反抗、学校への冒瀆、そうやって自己肯定感を維持するいじらしさの矮小を、いったいどこの誰が《小っぽけな蛙たち》と嗤うことができただろう。どこかのファシストの馬鹿どもが今夜も囁く、「生一本で生きていってごらん!」。まるで『或る阿呆の一生』のように。退屈凌ぎにうたた寝しながらペンを疾駆させることの神への冒瀆を、不幸せな僕は知悉している。文法の崩壊を僕は歓迎したい。

 

フランスのサントロペから出発し、ロンドンに辿り着くまでのあいだ、ドーバー海峡は荒れに荒れて、《魚と化した犬ども》は危うく溺れそうになる。旅とはそういうものだろう。崩落した新婚旅行でもないんだから。唯一のほんとうの旅、それが荒れ狂ったドーバー海峡さ。

 

こっそり読むのはロートレアモンの『マルドロールの歌』で、したたかなことにミシュレの『魔女』を栞とする。このゾッとする孤独、孤独という名の暴君、彼は新たな神になりたい欲求に駆られはしないだろうか。既成の信仰とやらを見事に薙ぎ倒し、いやいや、彼はおそらくQUEENとして化粧をしないもうひとつの化粧の方法を見出すのだろう。天地開闢のいにしえから、王族と呼ばれる人たちは申し合わせたかのように皆そうだった。

 

ペテン師を遣り過ごし、前進する僕たちは、《動く書物としての孤児》のように未来だけを信じている。ママンは僕たちを知らないし、僕たちもママンを知らない。古風な《家》を一蹴する努力がマルグリット・デュラスには足りなかった。

 

モーツァルトが、従姉に恋をして嗤った。『狭き門』は、出版当時としてはさほどモダンではなかったどころか、苔が生えそうなくらいに古めかしかった。禿親爺アンドレ・ジッドが生きた狂気には軽蔑のファクターが少なすぎる。

 

凡庸な僕たちの運命を坊主どもがカードで占う。ジョーカーの欠けたそのカードで…

 

想像力のない男の子なんて、嫌いよ! そう叫ぶ少女に残された道はなく、ぼんやりした豊かな瞳は凍てついた海の最果てを…f:id:atorie-hama3o2o3s1965447:20170820033832j:image