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星影にひそむ星々の会話~星座の文法~

精神障害者ピアサポートをしている僕の徒然

菫色のこの世界を薔薇色に染め上げよう

ゆっくりと陰鬱な瞳を道端の吐瀉物に投げかける。

誰が、吐いたのだろう?

強姦された女が、吐いたのか?

甘いクスリの臭いが漂う。

覚醒剤ではない、大麻だ。

クスリが混入していた袋は、風が何処かへ運び去った。

売人などもういる筈もなく、彼はこの新宿から六本木へ戻ったのだ。

幼女が産み落とされた公衆トイレで、監査官が写真を撮る。

溶け合う柔らかい肌と肌が、赤く染まる。

産まれたばかりの赤ん坊に名付ける親はなく、

北風が死んだ赤ん坊を手なずけ弄んでいる。

雪がしんしんと降ることに理由がないように、

赤ん坊を公衆トイレで産み落とすことに理由はない。

間違いを指摘する者もなく、

自由だ。

時計の針が疾駆する午前3時に、

漆黒の夜が賑わい、大麻は踊らない。

ただ性欲のためだけに資するクスリを、

欲しがる痩せた肉体に、未来を夢見る力はなく、

俯き、項垂れ、這いつくばり、それでも力なく、

朽ちた連中のカラダに、

黄色い視線を走らせた。

僕は限界を超えようと全力をあげ、売人組織のあるアジトの、

ドアを一蹴し、叫んだ。

君たちは、誰だ? 

お前は、誰だ?

誰だ?

沈黙で応える売人の眼差しが光る。

甘い乾燥大麻草の臭い。

「お兄さん、これが、あの世。薔薇色なのさ」

気づいてみると、僕の前には、薔薇色の鮮血を流す売人が転がっていた。

「凡庸さ」、皮肉っぽく僕は呟き、警察へ連絡した。