星影にひそむ星々の会話~星座の文法~

精神障害者ピアサポートをしている僕の徒然

愛することは罪ですか?

どなたかの配偶者ならばいざ知らず、そうでない独身者を愛することは罪ですか?

 

マルセル・デュシャンの作品だったろうか、フランスの芸術家の作品に『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁でさえも』と題する美術がある。デュシャンといえばとかくスキャンダラスな作品を創ることで夙に有名だが、中には詩人アポリネールの戯画を美術にして彼アポリネールを隔靴掻痒にしたこともある悪戯好きな側面もある。時に作品はマルキ・ ド・サド 侯爵からの応用ともなる。便器をモチーフにした際のデュシャン は、当時かなりの 顰蹙を買った。

 

迷惑や心配を誰かに かけず、ベッドインして或る独身者を抱く場合、未成年ならもちろん論外だとしても、そうでなければ、互いの同意のもとならば問題はないのかもしれない。しかし現実には双方の心象にこわばりや齟齬があることがあり、ベッドから出て下着をつける段階で不毛な喧嘩が起こる場合がある。恰も何もかもが嘘だったかのように。吐息も囁きも快楽でさえも、真っ赤な嘘だったかのように。男女は総じてそんな凡庸な関係なのかもしれない。

 

奇しくも詩人ランボーは《可笑しな夫婦があったものだ》と嗤う。全くだ。

 

人間は人が考えるほど複雑でもない。人間の営みは単調で、繁華街に出ただけで晴れやかな気分になるくらい、なんだかんだと理由づけしてそうしたがる傾向だ。そこには虚栄心しかないようで、フェラーリで銀座四丁目の交叉点をぶっ飛ばせば満足したりする。そうやって長生きして人生をやり過ごしたいだけなのが、一般の人間で、人間であることの証明などしない。

 

《恋なんて、簡単》と映画『天井桟敷の人々』は言う。この映画では指導的な小煩さがない。幾つかの迷宮があるだけだ。かりそめに渋谷の街を歩けば、道端に転がる小石の数だけ恋の数がある。掛ける声さえあれば成就する恋に神など出る幕もない。退屈しのぎに、恋をしますか?

 

愛することは罪ですか?


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