星影にひそむ星々の会話~星座の文法~

精神障害者ピアサポーターをしている僕の徒然

確かな魅力としての文芸

いかなる信仰ももたない僕たちではあるけれど、自分の過去、それも若かった頃の自分自身への祈りならばもっている。どちらかといえば傷つきやすかった若い頃へのオマージュはその傷よりも遥かに深く残っている。僕たちがいつも携えていたあの誠実や、儚く流れ出た涙や、悲恋に終わった初恋や、知らない土地での戸惑いの逢瀬や、ついつい仕出かしてしまった残酷な復讐や、異性への意味ある一瞥や、運良く実った恋の収穫祭など、そういう無意味な潤いへの僕たちの祈りは過去へと差し向けられる。そんな風にして信仰をもたない僕たちは、過去の自分をせめて祈っている。クリスマスではなく、お正月でもない、凡そ宗教とは縁のない僕たちの密やかな祈り。秋の夕暮れの街を足早に歩いた僕たちの見えない祈り。

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そういう確かな祈りこそ、ほんとうの確固とした人間本来の祈りなのかもしれない。そしてそんな過去に文芸の美が介在する。勿論それだけで満足する難しさは否めない。

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