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星影にひそむ星々の会話~星座の文法~

精神障害者ピアサポートをしている僕の徒然

たまに読みたい怖い小説

ふだん純文学の恋愛小説を読んでいる人々でも、たまに怖い小説を読みたいと思うものらしく、宮部みゆきさんのホラー小説を出し抜けに紐解いたりする。アメリカの詩人ポーなどが一般的にはウケているのかもしれない。その恐怖感がコアなのはやっぱりイギリスの幻想文学なのだと思う。因みにイギリスは妖精の国でもあり、妖精についての話題ならば事欠かない世界でも珍しい国のひとつだ。なるほどシェイクスピアが活躍した国だと頷ける。

日本でも古来より恐ろしい作品はあった。主に伝承により連綿と続いたそれは、今では御神楽や歌舞伎のなかで息づいている。古事記日本書紀などのなかにも不思議な話はたくさんある。作家の桜庭一樹さんは古事記よりも日本書紀を好む傾向らしい。そこで万葉集に関心を抱く人がやがて歌人になり俳人になっていくのかもしれない。

時代を経て江戸時代になると、歌舞伎は世相を反映していく。井原西鶴の登場となる。加えて浮世絵が登場する。そして浮世絵が歌舞伎に題材を提供する例が次第に顕著になる。歌川国芳などがおどろおどろしい浮世絵を描く。この国芳、彼の浮世絵は総じて諷刺の作品だった。これが幕末から明治維新への契機になったとも考えられている。

恐ろしい小説の醍醐味にはそんな経緯もあるのだが、ただ純粋に恐がりたいから読むケースがたいていなのではないかな。宮部みゆきさんは「みんな怖い話が大好き」と銘打ってアンソロジーを発表している。そういう意味では小野不由美さんの小説などは充分にオモシロイ。もしホラー小説の読書に倦んだら、あとはもう自分の手で怖〜い話を書くしかないのだろう。