読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

星影にひそむ星々の会話~星座の文法~

精神障害者ピアサポートをしている僕の徒然

ごきげんよう

統合失調症の私はかつて当事者介護の仕事をしておりました。ピアヘルパーと呼ばれる職務に従事しておりました。私には様々な経歴の利用者さんがいて、まぁ皆さん精神障害者でした。もうかなり以前のことのように記憶していますが、まだ実際には数年前のことです。

利用者さんのご自宅を一軒、また一軒とお伺いし、いろいろなことをするのでした。そのあたりは高齢者介護ともしかしたら似た点もあるのかもしれません。ちょっぴり神経を使う仕事ですが、楽しかったです。

朝一番で私がする仕事がありました。毎朝毎朝、私はその仕事をこなしていました。その仕事が終わると私は「ごきげんよう‼︎」と挨拶して利用者さんのご自宅を去っていくのでした。何十回、私はそう挨拶して去ったのか、数えきれないくらいです。私は私なりに熟慮した末に挨拶としての「ごきげんよう‼︎」を選び出し、それを繰り返しました。まだNHKの『花子とアン』が放映されるずっと以前のことでした。

親しくしていたガールフレンドが聖心女子学院の出身で、育ちの良い彼女との交際のなかで、いつのまにか私には「ごきげんよう‼︎」が板につきました。やがて彼女と別れる不運がありましたが、その後ピアヘルパーとしての仕事を私はしたのです。

いよいよ当事者介護、ピアヘルパーの仕事の私にとっての最終日がやってきました。いつものように朝一番で利用者さんのご自宅を伺い、仕事を終えて、少し息が詰まりそうになりながらも「ごきげんよう‼︎」と最後の挨拶をしました。満面の笑顔で私が言う挨拶は「ごきげんよう‼︎」でした。

なにもかも当事者介護の仕事を終えた私は「これで、良かったんだ」とひとしきり満足しました。